【読書】仮説で終わるな検証せよ – 考える技術
「会社は拡大しないで細く長く経営する」という私の経営思想とは対極にある「スケールしてガンガン行こうぜ!」みたいなエネルギーを感じる本です。
本書はどこまでも理詰めで分析、仮説、検証を行うことを紹介しています。
まあ、なるようになるっしょ!

みたいな考えとは反対の意見も取り入れるため、今回はこの本で特に気になった箇所を紹介、自分なりに消化します。
マッキンゼー初期の大前を支えたのは科学的思考力

大前研一といえば、マッキンゼー日本支社の元社長で「企業参謀」をはじめ様々な著書が出版されています(まだ読んでない…)。
その卓越した先見性は科学者時代に培われた論理的思考法に基づいていると語っています。
意外かもしれませんが、大前氏がマッキンゼーに入社したのは30歳ごろで、それまでは日立製作所の原子力開発部に勤務していたのです。
しかし、日立独自の技術で原子炉が開発できないと悟って日立製作所を退職、転職エージェントに紹介されて面接を受けに行ったのがマッキンゼーだったのです。
MITで学んだ論理的思考があったからこそ、その後の私がある。頭の中で思考回路を組み立てる方法は、その後の私の人生のあらゆる場面で役立っているからだ。
大前研一「考える技術」
(中略)
経営の「け」の字も知らずにたまたまマッキンゼーに入社してしまったが、「なんだ、これなら科学と変わらないじゃないか」と、やっていける自信が持てたのである。
マサチューセッツ工科大学で博士号を取得した過程で培った科学的・論理的思考がそのままコンサルティングのバックボーンとして活用できたという訳ですね。
仮説から結論に移行する前に必要な「検証」

本書のかなりのページを割いて、検証の重要性を説いています。
論理的思考力をもとにデータを分析し「おそらく〜だろう」という仮説が生まれても、それでコンサルの仕事は終わりません。
仮説が正しいかどうかを検証することが必要であり、そのために大前氏はフィールドワークを行います。
問題の中には、ある程度情報の分析だけで結論が見えてくるようなものもたしかにある。しかしその場合でも、結論を出す前に必ず現場で検証することが必要だ。そして、自分の感覚で「この結論で絶対に間違いはない」という信念を持つまでは、足を棒にして歩かなければならない。実際に私は、企画室の中で数字を見ながら結論を出したことは一度もない。
大前研一「考える技術」
こうしたフィールドインタビューは、問題解決に必須なだけではない。あらゆる論理的思考の基になる大切なものだ。
大前氏はMIT在籍時に、博士号の取得試験に落ちた経験があります。
問題に対する答えは合っていたにもかかわらず「数字は合っているがその過程の思考プロセスが不明瞭」のため、採用されなかったのです。
たしかに答えは合っていたとしても、それに至ったプロセスがトンチンカンだったなら、別のシチュエーションが発生した場合、これが原子炉なら事故につながる可能性もあります。
なぜその数字が出てきたのか、なぜそれで安全と言えるのか、プロセスごとに検証、ディスカッションする必要がある訳です。
経営コンサルティングも同じで、仮説に至ったプロセスでどこか解釈の齟齬が発生していないか、この数字だけ突出しているが裏に変な因子が混じっていないか、などなど。
もともとクライアントは、その業界で数十年のベテランだったりします。
高い金を払って異業界の人間に相談している訳ですから、数字と事実しか説得できる材料がないわけです。
全社員にインタビューした、数字も全て裏をとった。
コレしか答えは有り得ない!

このレベルに達して初めて、クライアントは首を縦に振るのでしょう。
まとめ
以上「考える技術」の紹介でした。
現状、私には「ロジカル・シンキング」などの書籍を数冊読んだだけで、なにか具体的に論理的思考に基づいて仕事に取り組んだという経験がありません。
強いて言えばシステム開発の時に(無意識で)使っている、くらいでしょうか。
仕事、プライベートにかかわらず、普段の漠然とした「答えのない」疑問に対して、自分がそれについて考えているのか、それとも悩んでいるだけなのか、それすら怪しいです。
答えのない問題に、自分なりに納得した結論を出してみたい。
そこで以下の取り組みをやってみようと思います。
- フェルミ推定の書籍を購入して解いてみる
- 疑問に思ったことをメモ帳に書き溜める
- その疑問に対してフェルミ推定を参考に答えを出してみる
