【読書感想】勉強した内容は形にしろ – アウトプット大全
独立・起業して勉強量が増えたのは良いことですが、肝心のアウトプット方法がブログしかなかったので購入。
ブログもいいけど、アナログでアウトプットしたいんだよね…

そんな欲求が芽生えて本書を手に取ったわけですが「アウトプット大全」というだけあって、書いたり話したりSNSで情報発信したり、様々なアウトプット方法に言及しているので、私にとってタイムリーな書籍でした。
今回は、本書で特に気に入っている3つの章を紹介します。
インプットとアウトプットの黄金比は3:7

著者のセミナー参加者にアンケートをとったところ、学生も社会人も関係なくインプットとアウトプットの比率が3:7であったそうです。
一方、コロンビア大学の博士が小3~中2までの学生を対象に、人物名鑑を暗記させる実験をしたところ、学習時間のうち30~40%を覚える時間(インプット)、60~70%を練習する時間(アウトプット)に割り当てたグループが最も成績が良かったそうです。
これはインプットが脳だけで暗記しようとしているのとは対照的に、アウトプットは脳以外に筋肉も使用するからです。
朗読したり書いたりすると口や指の筋肉が連動し、多くの神経細胞が活性化し、より記憶が定着するようです。
無意識でも九九がスラスラと口から出てくる、あの感覚ですね!

アイデア出しに欠かせない100均カード

私はネタ帳としてObsidianを使用していますが、いざアイデアをまとめてブログなどで言語化しようとすると、見えない壁のようなものを感じます。
ふわっとしたアイデアとカチッとした言語化には、やはり距離があるんでしょうね…。

そう思ってしまう原因として2つあると考えています。
- 頭の中ではアイデアに優先順位がつけられない
- 複数のアイデアが絡まって考えがまとまらない
そこで紹介されていたのが、100均で販売されている100枚入りの情報カードを使用したアイデア出し。
私も本書を読んで即買いました。

ポイントは、100枚全部を使い切ること。
とにかく頭の中のアイデアを吐き出すことで、思考を体系的に見える化できるというわけですね。
ちなみに100枚すべて使い切れたら、セミナーや本の執筆にも十分対応できるほどの情報量だそうです。
現在、私はプログラミング教育に関するKindle電子書籍を出版するという目標で原稿を書いている真っ最中で、この方法をフル活用させてもらっています。
絵や図を描く

ノートに書くことができる情報形式は何もテキストだけでなく、絵や図を描くこともできます。
とくに絵や図は画像優位性効果を生むため、より理解力が上がり、強く記憶にも残ります。
画像優位性効果とは、視覚的であるほど記憶に残り、思い出す可能性が高くなることです。
ある事柄を説明して、72時間後にどれだけ覚えていたかを調べた実験があります。「口頭で説明」した場合は、10%しか記憶していなかったのに対し、「絵を使いながら説明」した場合は、65%も覚えていました。視覚を使うと、口頭で説明するよりも6倍以上記憶に残るのです。
樺沢紫苑「アウトプット大全」
また、テキストから得た情報を絵や図に変換できるということは、自分なりに情報を分解して取捨選択する過程を通すので、インプットした内容をしっかり理解したという証にもなります。
「勉強した内容を他人に教えられたら本当に理解できている」っていうのと同じですね!

まとめ
小学校の時、算数の時間に先生に「ちゃんと式を書け!」と注意されたことはありませんか?
ダニエル・カーネマンの「ファスト&スロー」にもありますが、人間の脳には、敵に瞬時に対応できるように速攻で判断を下すモードと、複雑なことを考えるモードがあります。
普段の私たちは瞬時に判断するモードである一方、我々が仕事などで必要とするモードは後者なのです。
つまり、普段のままだと深く考えようとしても上手く行かないわけです。
そこで、本書では紙とペンを使用して、強制的に深く考えるモードに切り替える必要があると、いろいろなノウハウや実験結果を引用して説明してくれています。
私としては、アイデア出しと図を活用する章の内容は、普段の生活スタイルと比べてそこまでの変化を求められず、かつ大きな効果を期待できそうと感じました。
以上、私が本書で特に気に入った3つの章を紹介でした!
